2010年9月27日

前田容疑者 「架空の調書作成」福島県汚職元県幹部明かす

今ニュースを賑わせている大阪地検特捜部の主任検事前田恒彦容疑者、この男佐藤栄佐久元福島県知事の辞職問題にもかかわっていた。

以下地球とともにのブログを転載させていただきます。

佐藤栄佐久元福島県知事 冤罪か?



福島県の元知事である【佐藤栄佐久さん】をご存じだろうか?
1998年、日本で初めてプルサーマルの受け入れを表明し、4年後に白紙撤回した知事です。

白紙撤回した理由は99年の燃料データ捏造に始まり、茨城県東海村の臨界事故、再処理工場の度重なる計画延期、01年の東京電力の一方的な電源開発凍結宣言など。
物事を順序立てて考える人のようです。
しかし、実弟が県発注の公共工事を巡る汚職事件で逮捕され、責任を取る形で知事を辞職しました。

そして、今日のニュースがこれ。
河北新報「前田容疑 『架空の調書作成』福島県汚職元県幹部明かす」←クリック

今、日本で最大の関心事である大阪地検特捜部の主任検事前田恒彦容疑者。
この人が東京地検特捜部時代にこの事件に関わっていたのである。
そして、事情聴取された元福島県幹部が「言っていないことまで供述調書に記された」と言っているのである。
佐藤さんご兄弟、そして関係者の皆さんは本当に悔しかった事でしょう。
こんなでっち上げは絶対に許せない。
核燃にまっこうから向き合った唯一ともいえる知事。
この問題もここから更に注目していくべきでしょう。

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北斗君がブログでも書いていますが、この佐藤栄佐久元福島県知事は知事時代に日本の原子力政策に疑問を持ち、独自に「福島県エネルギー政策検討会」を立ち上げ、24回にもわたり著名な講師との意見交換等を行いながら検討してきたものを「電源立地県 福島からの問いかけ あなたはどう考えますか?~日本のエネルギー政策~」という130ページも及ぶ詳細な「中間とりまとめ」を冊子に取りまとめた。



国策に対して反旗を翻した知事であり、国にとっては邪魔者だったのだろう。

佐藤栄佐久さんは自身のブログでこう書いている。


知事抹殺

2010年9月22日
郵政不正事件~証拠改竄は組織体質の問題である

村木氏の無罪判決についてのブログ草稿を書いているとき、村木事件の主任検察官によるFD証拠改竄が明らかになったと報道がありました。

新聞でもテレビでも「信じられない」「ありえない」「検察の信頼は」等のコメント、見出しが躍っていますが、検察と直接対峙した経験のある者としては、全く意外ではなく、さもありなん、というのが正直な思いです。

見立てに沿わない供述は決して認めず真実とは離れたところで供述を作文するのですから、その延長線上にこのような行為があるのは、十分推察できるところです。

私の事件では、参考人として呼ばれた多くの人が、たとえ真実を貫こうとしても、逮捕をちらつかせられ、「すぐにでも会社をつぶせるぞ」「嘘でもいいから言え」「作ってでも言え」と恫喝され、深夜まで帰してもらえなかったのは以前のエントリーでも記述した通りです。

弟は精神的に苛め抜く取調べに耐え兼ね、「検事の意向に沿う証言をした」と自分が認識している17日も前の日付で、「自白調書」が複数存在し、これは一審の法廷でも「掠め取り調書」=捏造自白調書ではないかと争いになりました。

参考人として呼ばれた友人は、取り調べ検事に「上司に報告しなければならぬので何か一つ悪口を言ってくれ」と懇願されたといいます。

取り調べを指揮する上司=主任検事/特捜部長が真面目な検事を真実から遠さけているとしか思えません。検察が組織として証拠を捏造し得る証左です。

ですから、村木氏の、決して「信じ難い」ではなく、「ここまでやるか」という言葉は理解できます。

あらかじめ決めた結論に向かい、無理やり事実を歪めてつぎはぎし、供述調書を作成していく、検察がそのような手法をとるのは身に染みてわかった。その流れで証拠物にまで手を付けていたのか、という思いです。

村木氏の一審無罪直後からNHKの「追跡!A to Z」をはじめとして多くのメディアが事件全体を大阪地検のが生んだ取り調べの異常さ、という観点で報じてきました。

「大阪地検を無くすんじゃないかという話も出ている」とテレビで語る元検事の弁護士の方もいましたが東京地検でも同じことが起こっているという事実を身を以て知っている私としては信じがたい見方です。

下位組織固有の特殊性に帰結させようとする力が非常に強く働いているのを感じておりました。

そこで今回の証拠改竄事件が発覚です。夜のニュースでは、前田検事の映像を洪水のように流し、個別のFDディスクデータの改竄手法や意味づけを事細かに報道していました。

個人と具体性に強くフォーカスすることで、すでに組織の体質という全体像がぼやけはじめています。

直接の面識はありませんが、前田検事は東京地検が捜査を行った私の事件でも取り調べを行っていました。(一審後、虚偽の証言をしたのは間違いであった、控訴審で真実を述べたいと宗像主任弁護士に連絡してきた水谷氏の取調べを担当していました。)

この点を取り上げるだけでも、決して大阪地検固有の問題ではありません。

このようなメンタリティを持った検事が高く評価され、「エース」として全国の重要事件の捜査を飛び回り、リーダー的地位を占めている、その事実の指し示す意味は自明です。

村木氏の無罪は、当然の結果です。当然の結果でありながら幸運な事例であるとも、私は考えています。

今回の改竄事件の報道を通じ、菅家さんの事件、爪はがし事件など無罪を勝ち取った冤罪事件が例として挙げられていますが、このFDは村木氏の有罪、無罪を左右するほどの力を持つ証拠物であることを考えれば、すでに有罪として確定している事件の中にこそ、本当の悲劇、被害者が隠れているはず、というところまで洞察を働かせる必要があるのではないでしょうか。

特捜検事をやめた方がテレビに出ることが多くなっています。注意深く聞けばソフトにコメントしている言葉の端々に、検察に連綿と現在も流れている体質の問題点が垣間見えます。

先日書いた、熊崎勝彦元東京地検特捜部長の「黒を決して逃がすことはあってはならない」という、推定無罪の原則を軽視する言葉もその例ですが、今回も22日の「朝ズバ」で元東京地検特捜副部長 石川達紘氏が、検察内でなぜこのような改竄が起こりうるのか、という文脈の中で
「最近は調べられるほうも権利意識が高まっているので、(捜査は)難しい部分もある」とさらりと話していました。

この言葉は捜査する側にいかに人権意識が希薄であるか、聴取される側が、無知で大人しい相手ならば、供述を得るためには何でもやってよい、と考えていることを間接的に示しているのではないでしょうか。

その意識こそが、特捜検察の体質、村木氏の事件、そして私の事件をはじめとする無理筋事件の暴走の根となっているような気がいたします。

検察一体の原則、そのトップである最高検が捜査にあたるそうですが、「前田検事の特殊な犯罪」「大阪地検固有の体質」を断罪して全てが終了しないか、注意深く推移を見守りたいと思います。


                   佐藤栄佐久


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佐藤栄佐久さんは「知事抹殺つくられた福島県汚職事件」という本も書いています。
ぜひお読みください。

この前の投稿にも書きましたが、原子力はこの国の諸悪の根源です。腐っています!!!