2009年12月26日

プルサーマル数年で中断か/再処理工場操業遅れで

12月25日のデーリー東北紙面より(デーリー東北の核燃料関連の記事には掲載されていないので、全文を書きます)

「九電・限界原発 プルサーマル数年で中断か/再処理工場操業遅れで」

 使用済み核燃料を再処理する国内初のプルサーマルが始まった九州電力限界原発3号機(佐賀県玄海町)で、プルサーマルが5、6年後に一時空白期間を生む可能性が高いことが24日、分かった。電力関係者が同日までに共同通信の取材に対して明らかにした。
 六ヶ所村で試運転中の使用済み核燃料再処理工場などの操業が当初より遅れ、プルサーマルで使うプルトニウム・ウラン混合酸化合物(MOX)燃料の供給が途絶えかねないため。態勢不十分な中で船出したプルサーマルの現状を象徴する事態といえそうだ。
 九電は今月2日、MOX燃料16体を裝てんした玄海3号機でプルサーマルを本格稼働。24日にはフランスで追加製造していた20体も完成したと発表した。20体は来年にも玄海原発に輸送し、その後、装てんする見通し。
 燃料を原子炉で使用するのは通常3年。定期点検期間を考慮すれば新たに装てんする20体は2014〜15年後半ごろには使用済みとなる計算。その先は、九電が別途、英国に保有するプルトニウムでMOX燃料を製造する計画だが、同国のMOX燃料工場が計画通りに稼働していない影響などで、途切れずに燃料が届くかは不透明だ。
 一方、六ヶ所村に建設予定のMOX燃料工場は3度の着工延期を経て、15年6月に操業予定。しかし、前行程にあたる再処理工場はトラブル続きで、実際に“国産MOX燃料”が製造できる時期は流動的。5、5年後に空白期間が生じる可能性が濃厚だ。
 空白期間は従来と同様、ウラン燃料のみを装てんし運転することになる。電力関係者は安全性について「MOX燃料を再びウラン燃料に戻しても運転状問題はない」としている。